何かに集中したり頑張ったりしている時、人は無意識に歯を喰いしばっています。逆にあごの力を抜いてみると、全身の緊張が解けるのを感じます。これを意識して行うことで心の緊張も解き、入眠しやすくするというテクニックがあります。
やり方は簡単です。仰向けに寝て足を楽な姿勢に開き、口もポカンと開きます。大口を開ける必要はありませんが、意識して口を開けることで体が緩んでいくのを感じて下さい。体の力を抜くことに意識を持っていくと、不思議と精神も緩んでいきます。
そして大きな息で呼吸をするように心がけながら、声を出さずに「アー」。これは脳を無心にするためです。不安や悩みなどネガティブな思考があると眠れなくなるものですが、思考は言語中枢を使用していますので「アー」とつぶやくことで強制的にシャットダウンできます。脳は二つの言葉を同時につぶやくことはできず、「アー」という言葉自体に意味はありませんので、脳は何も考えていない状態になるのです。そして覚醒から睡眠へと誘われていきます。
出すならどの音でも良さそうですが、他の母音イ・ウ・エ・オはどれも顔の筋肉が動きます。アだけが顔の筋肉が緩んだ状態のまま無理なく出せる音なのです。
無音が難しければ声に出しても構いませんが、「アー」とつぶやき続けると喉が開いた状態になるので、冷暖房の効いた部屋や乾燥した部屋でやると、翌朝、喉がツラいかもしれません。適度に湿度を保った部屋にするか、あまり大きな口を開かずにやってみましょう。