眠れない、熟睡できないなど、不眠の原因として時々あげられるのが、夜間から寝る前にかけての部屋の明るさです。蛍光灯のような白い色に含まれる青色の波長が、睡眠ホルモンのメラトニンを抑制してしまうにも関わらず、不眠に悩まされる方は照明に気を遣っていない方が多すぎるように思います。照明は瞬時に部屋の雰囲気を変える強力な安眠ツールです。照明に気を遣うだけで不眠から解放される方はかなり増えるでしょう。
朝から日中にかけての太陽は、白い強い光を放っています。続いて昼間のオフィス空間は、明るい昼白色の蛍光灯が多いですね。ここまではとても活動的な仕事モードの色です。そして夕方になると太陽は夕陽色(オレンジ)に変わり、家に帰宅してのくつろぎを連想させます。ですから夕方以降、家庭の室内照明はオレンジ色や電球色にすると、交感神経の活動が鎮められて、無理なく安眠モードに入れます。
最近のLED照明は色や明るさが切り替えられるものが多いので、調色調光タイプのシーリングライトにするのもおすすめです。
就寝60分前からは照明をさらに暗くしたいところです。部屋を150ルクス以下に落とすと、メラトニンの分泌が活発になります。メラトニンは体温や血圧を降下させ、心身をリラックスさせてくれます。ほの暗いワインバーのようなムーディーな照明は、想像以上に私たちを睡眠モードに誘ってくれるのです。