眠りには、「一定のリズムを持っている多くの要素」がかかわっています。代表的なリズムはレム睡眠とノンレム睡眠の繰り返しですが、その他のリズムを理解することでも、より良い眠りに導くことができます。
例えば体温です。日中は高く、夜になったら下がり始め、眠りにつく頃には低くなり、眠りやすい状態を作ります。そして朝方に最も低くなり、太陽が顔を出す頃に上がり始め、体を目覚めさせます。また成長ホルモンは、ノンレム睡眠中に分泌のピークが訪れます。つまり、成長ホルモンが最も影響を与える子供の成長期には、良い睡眠が絶対に不可欠だということが言えます。
コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンは、血糖値をコントロールし、睡眠時の食事を摂らない時間帯に、血糖値が下がりすぎないようにしています。この分泌のリズムが狂うと夜中に目覚めたり、朝方に低血糖状態になり、寝起きが悪くなったりもします。
そして、メラトニンです。松果体から分泌され「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンは、目覚めてから14~16時間ぐらい経った夜に分泌が始まります。やがて眠りに適した体温調整が行われ、メラトニンが睡眠中にグッスリ眠れるように働きかけてくれることで、スッキリとした朝を迎えることができます。そして朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、体は活動状態となり、メラトニンの分泌が止まります。
これらの、様々なリズムが繰り返されていることを理解できれば、最も良い睡眠状態を手に入れることができるのです。